日本企業誘致の動きと、シンガポール総選挙

日本のMICE関係企業誘致のためミーティング

9月、東京都内にて、シンガポール政府観光局(STB)は、ミーティングプランナーやMICE関係者に向けたワークショップを開催しました。STBによると、MICEのなかでもミーティングとインセンティブに特に重点を置いて、日本の企業関係者と関係を強化することが目的であるということです。

STBによると、シンガポールへ訪れる外国人の約4分の1がMICEを目的とした訪問者といいます。同国のGDBの1.1%を占めるMICE産業は、観光分野にとってもはや不可欠であり、そのなかでも特に日本市場の重要性が大きくなっているようです。

シンガポールは外資規制が少なく、東南アジアの中心地として事業展開しやすいという利点を持ちます。そのうえ、インフラが充実し、生活環境が良く、事業基盤を確立するのが比較的容易であるという特性を持ちます。そのため、多くの海外企業がシンガポールに進出しています。

STBによると、今後は東京にMICEのスペシャリストを常駐させた拠点を置き、日本の旅行会社などのMICE業界と今以上に交流を深めていきたいということです。確かに東南アジア市場への進出を狙う企業は今でも多いですし、さらに政府観光局の後押しもあるとなると、今後はシンガポールを拠点として、グローバルに事業展開する日本企業がますます増えていくように思います。

総選挙にて、与党・人民行動党が圧勝

9月11日、シンガポール議会総選挙の投票が行われ、与党である人民行動党(PAP)が全89議席中83議席を獲得する結果となりました。選挙前から与党が優位であることはあきらかでしたが、4年前の総選挙で記録した、過去最低となる60.1%という支持率からどれだけ回復するかが注目されていました。その結果、69.9%にまで回復し、地元メディアも「地滑り的勝利」と報道しています。

シンガポールでは、今年3月、初代首相リー・クアンユー氏が91歳で死去、8月にはマレーシアからの分離独立50周年ということもあり、愛国心が高まっているように感じます。また、外国人労働者の増加による就職難、物価高騰、少子高齢化など、さまざまな問題を抱えるシンガポールですが、国民の多くは、与党に不満はあれども、この先行き不透明な状況を野党に任せるのは危険だと判断したのではないかと思います。

ただ、与党への支持がいまだ大きいとは言っても、ASEAN諸国内における民主化の状況を鑑みると、シンガポールがいつまでその影響を被らずに済むのかは疑問に思います。日本では、やたらとリー・クアンユー氏を称え上げる風潮がありますが、権威主義的に国民を徹底管理してきたことの功罪もまた、しっかり押さえたうえで評価すべきだと思います。シンガポールには、4万人近い日本人と1000社に上る日本企業が進出しているわけですから、決して他人ごとではありません。

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